[活動レポート ― ハンセン病]
ハンセン病対策活動への回復者参加を強化する臨時専門家グループ会議開催

病気を経験した人は、その病気の症状や、治療法、治癒後の注意点を知っています。ハンセン病から回復した人も、その経験から得られた知識と知恵を活かし、新たにハンセン病に罹った人や治癒した人のケアやサポートをすることで、ハンセン病対策に参加し始めています。
世界保健機関は、ハンセン病回復者の経験を今後のハンセン病対策活動に活かしてもらうため、2011年に、「ハンセン病対策活動に回復者の参加を強化するためのガイドライン」を発行しました。4年が経過し、世界中で回復者の参加が進んでいます。しかし、参加が実現するまでの経過、参加中の問題点や対応策、参加が対策活動や回復者にもたらすインパクトなどの情報が、草の根レベルの医療従事者や回復者の間で広くシェアされておらず、これから参加を進めたい、もっと強化したいと思っている人たちに役立つ情報手段が不足しています。世界ハンセン病団体連合(ILEP)のメンバーである当財団は、2014 年4月から、ILEP 技術委員会の承認の下、回復者の参加強化を考えるために7人のメンバーからなる臨時専門家グループ(TEG)を編成し、そのコーディネーターを務めています。7名のうち1名は、インドネシアの若い女性の回復者です。2014 年4月にインドネシアで開催した第1回会議に続く第2回会議を、4月27日と28日の2日間、中国広東省広州市で開催しました。会議直前の4月25日に発生した巨大地震で欠席を余儀なくされた、ネパールからの参加者(回復者2名と専門家1名)を除く29 名(専門家、回復者、通訳、事務局担当者を含む)が、本会議に参加しました。今回の会議の主目的は、草の根レベルでハンセン病対策活動をする医療従事者や回復者が手軽に使える、回復者参加の活動事例を収集したハンドブックを制作することです。実際に活動に参加している中国、インドネシア、インド、エチオピアからの回復者6名(男女各3名)が、活動参加の動機、活動内容、直面している/した問題と解決法、役立ったサポート、生活の変化などをシェアしてくれました。その後2グループに分かれ、活動参加が、回復者自身と対策活動にどのようなインパクトを与えたかを、深く議論しました。

グループディスカッションの様子

グループディスカッションの様子

対策活動参加に伴う経験や思いには、国による違いが少なくありません。しかし、活動参加への動機としては、周囲に良き理解者や指導者が居たという点、家族を説得し理解を得るのは困難だったという点、また、参加を通じて自信と自尊の気持ちが得られた点は、ほぼ全員が挙げていました。2日目の午後、6名の回復者は広州市内のハンセン病定着村を訪問し、中国の回復者との交流を持ちました。一方、TEG メンバーは、今回の回復者からの聞き取りと議論を通じて得られたことを元にした事例収集を含み、今後の作業計画を検討しました。本TEGの作業による成果物は、2016 年9月に中国で開催予定の、第19回世界ハンセン病会議で発表と報告をする予定です。
会場、華金盾大酒店(Wa King Town Hotel)のロビーで集合写真

会場、華金盾大酒店(Wa King Town Hotel)のロビーで集合写真