[活動レポート ― ハンセン病]
インドネシアの新・ハンセン病サービス提供システム

インドネシアは、世界で3 番目に患者の多い国で、現在でも年間約17,000人がハンセン病と診断されています。社会における偏見差別も根強く、医療面・社会面双方の問題が大きく残るこの国では、病気の早期発見、診断・治療、障がい予防、障がい悪化予防、社会経済的リハビリテーションといった一連のハンセン病サービスがこれからも必要とされています。そこで、当財団は、2014 年からソロCBR開発センターと協力して、蔓延県の一つである中部ジャワ州ブレべス県を対象に、これらのサービスが維持される社会の仕組み作りを行っています。

奨学金支給枠の拡大が約された県教育部門共催ハンセン病と障がい者インクルーシブワークショップに参加者した学校や父母会の代表たち。

奨学金支給枠の拡大が約された県教育部門共催ハンセン病と障がい者インクルーシブワークショップに参加者した学校や父母会の代表たち。

患者数の減少によりハンセン病対策への政府予算が縮小される中、ハンセン病当事者が必要とするサービスにアクセスできるようにするために着目したのは、保健や教育、労働、福祉等の一般行政サービスです。これらを、ハンセン病患者・回復者も享受でき、また、ハンセン病患者・回復者のニーズに適うように提供されることが目標です。ハンセン病とその他の障がいを持つ人の問題と合わせて県行政に働きかけて、その行政機構の中に「ハンセン病と障がいのためのフォーラム」を設置しました。このフォーラムは、ハンセン病と障がいを、「分野横断テーマ(教育や福祉などすべての行政部門で考慮すべき問題)」とみなし、各部門の代表と関係民間団体の代表、ハンセン病と障がいの当事者代表から構成され、四半期に一度会合をもちます。
女性グループや教職員組合などのコミュニティリーダーが参加した県保健部門共催ハンセン病早期発見トレーニングの様子

女性グループや教職員組合などのコミュニティリーダーが参加した県保健部門共催ハンセン病早期発見トレーニングの様子。


この会合で、当事者から直面している問題や必要とされるサービス等が発表され、各行政部門はこれらに対して、どのような支援やサービスを提供しうるか考え、提案されます。こうして、年度内予算で対応可能なものは今年度中に、予算内で実現が難しいものについては翌年度に予算建てすることも検討され、着実に実施されています。これまでに、教育機会の拡大や病気の早期発見の推進など、ニーズに適った数多くの多様なサービスが実現されています。この行政におけるフォーラムの形成は、持続可能なハンセン病サービス提供システムとして、さらなる発展が期待されています!